建築設備士試験に独学で合格するための勉強法とおすすめの参考書【建築法規編】

建築設備士

どうもAMAKenです。

本記事では、建築設備士学科試験の科目別の対策についてご紹介いたします。
今回の科目は建築法規です!!

  • おすすめの法令集は何?
  • インデックスはどう貼ればいいの?アンダーラインはどこに引けばいいの?
  • そもそも法令集の体系が全く分からない!!

というような悩みに答えていきます!!

建築法規の科目は、試験に法令集を持ち込むことが出来て、しかもその法令集には問題の答えがすべて書かれています。
法令集を使いこなせるようになれば、満点を取ることも可能です。

私自身も学科試験に合格した時は、建築法規の得点がほぼ満点に近い点数を取ることが出来ました!!

学科試験全般の独学での勉強法やおすすめの参考書についてはこちらの記事をご覧ください。

建築法規の出題傾向と分析

まずは、建築法規のこれまでの出題傾向と分析を行います。

建築法規の出題数ですが、2020年(令和2年)の試験からこれまでの20問から18問に変更され2問減少しましたが、出題傾向に大きな変更はありませんでした。
これまでも出題傾向が毎年ほぼ変わらないため、比較的対策が取りやすい科目です。

主に出題される法規とこれまでの出題数は下記のとおりです。

  平成28年 平成29年 平成30年 令和元年 令和2年
建築基準法 14問 14問 14問 14問 12問
消防法 2問 2問 2問 2問 2問
建築士法 1問 1問 1問 1問 1問
電気事業法等 2問 2問 2問 2問 2問
その他関係法令 1問 1問 1問 1問 1問
合計 20問  20問  20問  20問 18問

令和2年から出題数が減ったことで、建築基準法からの出題がこれまで14 問だったところが12 問となりました。
おそらくこれからの試験もこの出題数になると考えられます。

最も出題数の多い建築基準法について具体的な出題傾向を分析します。
建築基準法の中でも「建築関連の法規」と「設備関連の法規」に分けて分析します。

まず、「建築関連の法規」からですが、例年7問出題されていましたが、6問に減少しました。
出題傾向としては下記項目から1問ずつ出題されています。

  • 用語の定義
  • 面積・高さ等の算定方法
  • 制度規定
  • 一般構造(令和2年は出題なし)
  • 構造強度
  • 耐火・防火
  • 避難施設等

一般構造は令和2年の試験に出題されませんでしたが、これまで毎年出題されていたため、しっかり勉強はしましょう。
おそらく今後の試験はこの7項目の中なら6問出題される形式に変わっていくのだと思います。

次に「設備関係の法規」ですが、こちらも例年7問出題されていましたが、6問に減少しました。
出題傾向としては下記項目から出題されています。

  • 給排水衛生設備(令和2年は出題なし)
  • 換気設備
  • 乗用エレベーター
  • 非常用エレベーター
  • 排煙設備
  • 非常用照明設備
  • 建築設備融合

各項目から毎年1問ずつ出題されますが、「排煙設備」と「非常用照明設備」はほぼ隔年交互に出題されています。建築設備融合は毎年2問出題されています。

令和2年の試験では給排水衛生設備が出題されませんでしたが、これまで毎年出題されていたため、しっかり勉強はしましょう。

建築法規はこのように出題傾向がとても分かりやすく、どこを勉強すればよいのかが明確です。
また、近年の改正事項や設備のトレンドであるエネルギー関係の法規から出題されることが多いので、対策がとても取りやすい科目です。

おすすめの法令集

次におすすめの法令集ですが、私のおすすめは井上書院の「建築設備関係法令集」一択です。

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試験で出題される法規はすべてこの法令集1冊でカバーできます。
他の受験者も多くの方がこの法令集を使用されています。

ただし、この法令集だけを用意すれば良いわけではなく、自分が使いやすいようにインデックスやアンダーライン等を記入して、自分の法令集を作りこむ必要があります。
具体的な方法はこの後の「インデックス・アンダーラインについて」でご紹介します。

また、建築士試験と同時受験しようと考えている人は、総合資格学院や日建学院などの法令集を使用していると思いますが、その法令集だけで建築設備士試験に臨まない方がよいと思います。

建築士試験の法令集は建築士試験に特化した「建築関係法令集」のため、建築設備士試験には必ず「建築設備関係法令集」を使用することをおすすめします。

インデックス・アンダーラインについて

次にインデックスやアンダーラインの引き方について説明します。

そもそもなんでインデックスやアンダーラインが必要かということですが、短い試験時間内に法令集を引きながら問題を解くのは極めて困難です。

事前に重要な部分にインデックスやアンダーラインを引くことで法令集で調べる時間を短縮することが目的です。

私が参考にしたのは、総合資格学院の「アンダーラインの引き方見本」です。
ただし、この本は総合資格学院の法令集を購入しないと入手できません。

そのためだけに法令集を別途購入するのはもったいないという方には、TACがおすすめです。
ホームページでTACオリジナルのアンダーラインの引き方が無料公開されています。

建築基準関係法令集 2021年度版 |建築士|TAC出版書籍販売サイト CyberBookStore
建築基準関係法令集 2021年度版

これらのインデックスやアンダーラインの引き方も建築士試験向けに作られたものなので、建築設備士試験用に多少改良する必要があります。

次に実際に私が行ったインデックスとアンダーラインの引き方をご紹介します。

まず、総合資格学院の「アンダーラインの引き方見本」の中から本記事の「建築法規の出題傾向と分析」で分析した毎年出題されている項目だけにインデックスとアンダーラインを引きました。

例えば建築基準法の「用語の定義」であれば、法第2条の頭のページに「用語の定義」と書いたインデックスを貼って、「用語の定義」の範囲だけ「アンダーラインの引き方見本」を参考にアンダーラインを引きました。

出題項目にない部分は完全に無視です!!

逆に、過去問をやる中で法令集にアンダーラインが書かれていない問題が出たときは必ず法令集にアンダーラインを追記してください。ここが重要です!!
特に「設備関係の法規」や「その他の関連法規」は建築士試験にあまり出ない内容も建築設備士試験には出題されるからです。

次にアンダーラインの色分けのルールですが、私は総合資格学院のやり方に倣って、

  • 肯定文を赤線
  • 否定分を青線

で引くようにしました。

試験ではこの青線部分がとても重要です。

法文を見ていくとわかりますが、肯定文の後の否定文として「ただし書」や「〇〇は除く」ということが書かれているものがあります。

例えば、建築基準法第2条第1項第一号の「建築物」だと

建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。

この青線の部分が否定文で、建築物に該当しないものを示しています。

試験ではこの否定文の部分が問題によく出題されます。
問題を作る側も受験者を篩いにかけやすく問題を作りやすいからです。

短い時間の中で法令集を調べて解くので、焦ってしまい、この否定文を見逃してしまうことがありますが、法令集を何度も繰り返し引く練習をして落ち着いて試験に臨みましょう。

法規の体系

最後に法規の体系について説明します。

法令集を初めて開く方は、おそらく法令集の特殊な体系や法文の書き方に困惑すると思います。

ここでは、建築設備士試験で出題される問題に関係する部分だけに特化して説明します。
法規の体系は下記のようになっています。

  • 法令・・・建築基準など
  • 政令・・・建築基準法施行など
  • 省令・・・建築基準法施行規則など

まず法令ですが、この部分で基本的な事項が定められています。
建築基準法であれば、建築基準に係る基本的な事項が定められていています。

次に政令ですが、この部分では主な技術的な基準などが定められています。
法令で基本的な事項を定め、その事項の技術的な基準を政令で定めるという体系になっています。

最後に省令ですが、この部分では技術的な細目確定事項などが定められています。

例えば、建築基準法第2条第1項第七項の「耐火構造」の中で、「耐火性能」という用語が出てきます。

耐火構造 壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。


この「耐火性能」の基本的な事項は建築基準法で定められています(赤線部分)が、技術的な基準は定められていません。
「耐火性能」の技術的な基準は建築基準法施行令第107条の「耐火性能に関する技術的基準」で確認する必要があります。

このように法令で何が定められていて、政令で何が定められているのかを理解することで、この問題は何を調べればいいのか判断ができるようになります。

実際の問題でも、まず建築基準法で基本的な事項を確認して、それから建築基準法施行令で技術的な基準を確認するという問題が多々出題されます。

まとめ

本記事では、建築設備士学科試験の建築法規に特化して試験対策をご紹介しました。

苦手意識を持っている方も多いですが、法令集を持ち込めて満点も狙える科目なのでしっかり対策、勉強をして学科試験に是非合格してください。

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